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電子書籍はどこで買うべきか?

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電子書籍はどこで買うべきか。使ったことのある電子書籍ストアを比較して、おすすめを紹介する。前提条件として以下のものがある。

  • 主に読むのは一般書籍。
  • パソコン(Windows)でも読む。
  • 本の購入数はそこまで多くない(月に2~3冊程度)。

電子書籍の基本的な買い方(結論) #

基本的にKindleストアで買う。総合的に最も優れた電子書籍ストアだからだ。Kindleをメインとして、より安く買うためにサブのストアを選ぶ。サブにはhontoがおすすめだ。次点でBook☆Walkerだ。

サブは複数あってもよいが、2つまでが無難だ。増えすぎると、買った本がどのアプリにあるのか混乱してしまう。それに買うときに、いくつものストアをめぐって価格を確かめるというのも面倒だ。

ストアを選ぶときに検討すべき要素は以下の通り。

  • 品揃え(買いたい本があるか?)
  • サービスの継続性(サービス終了の恐れはないか?)
  • アプリの使いやすさ(本棚機能や検索機能はあるか?)
  • 値段(セールの割引率、頻度、対象は?)
  • サイトの見やすさ(本を探しやすいか、セール情報はわかりやすいか)

Kindleストア #

KindleストアはAmazonの運営する電子書籍ストアだ。サービスの継続性、品揃え、セールの多さ、読み放題サービスなど総合的に最も優れている。アプリの使いやすさはそれなりだが、必要十分だ。

デスクトップ版アプリは微妙だったが、2023年8月のアップデートでかなりよくなった1。本棚代わりとなるコレクション機能が使えるようになった。デザインが洗練され、サンプルと本を区別して表示できるようになった。

クーポンなどで全商品が割引になるということがない。セールは多いものの、セール対象にならない本が存在する。そういう本を安く買うために、サブのストアが必要となる。値段にこだわらない人は、Kindleですべてを完結させてもいい。

セールの情報はいまいちわかりにくい。キンセリ(Kindleセール情報まとめリストを1時間ごとに更新) で確認するとよい。

honto #

hontoは安定して安い。20%オフのクーポンはいつでもある。すぐ欲しい本があるが、Kindleではセールになっていないというときに使える。サブとしておすすめな理由だ。大日本印刷の運営で継続性も問題なさそうだ。

品揃えはほぼKindleと同等だ。セールはKindleより多い印象がある。また割引セールと20%クーポンが併用できることがある。こうなるとKindleよりも安く買える。一生分の読書ポイントプレゼントなど面白いキャンペーンもやっている。

ウェブサイトは見やすい。セールやキャンペーンの情報がわかりやすい。買いたい本を探すのに適している。検索画面はKindleよりも使いやすい。読書メーターとブクログのレビューを見ることができるので、買うべきか判断しやすい。

hontoブックツリーという、おすすめ本を紹介してくれるサービスもある。

デスクトップ版アプリはそれなりだ。機能面は十分だが、モダンなデザインではない。スクロールしたときの挙動が遅い。普通に読む分には問題ないが、たくさんスクロールすると、遅れて一気にページが飛ぶ。Kindleのようにスクロールと同時に、シームレスにページを移動してほしい。これだけは欠点だ。

Book☆Walker #

Book☆WalkerはKADOKAWAグループ傘下の電子書籍ストアだ。他にはない機能があり、技術的に優れている印象がある。かつてデスクトップ版アプリがひどくて断念した。今回調べるとアプリが廃止された代わりに、ブラウザでの閲覧が改善されていた。

ブラウザでも本棚と検索機能がある。しかも、横断検索ができる。持っているすべての本の内容を横断して検索できる。これは画期的であり、他のストアにはない機能だ。

パソコンでの閲覧はブラウザのみで、オフラインではできない。その代わり、試し読みがすべてブラウザでできるようだ。いちいちダウンロードしなくていいのは便利だ。

ウェブサイトは見栄えがよく、使いやすい。デザインのよさは一番だろう。検索画面はとても使いやすい。ジャンルという分類のほかに、カテゴリという大きな枠組みがある。例えば「実用」で絞り込むと、小説や漫画を除いた実用書だけを検索できる。さらに、雑誌を除外する機能があり、これが絞り込みに便利だ。

「まる読み10分」という面白いサービスがあり、一日10分までなら無料で全ページを読むことができる。読み放題サービスもある。

品揃えはhontoやAmazonにやや劣る。例えば草思社、有斐閣、みすず書房などは扱っていない。とはいえ主要な出版社はもれなくあるので、たいていの本はそろう。

ポイントの代わりにBOOK☆WALKERコインがある。40~50%の全作品コイン還元キャンペーンを定期的にやっている2。セールの割引が大きく頻度も高いので、これが続くならかなりお得なストアだ。ただし、還元されたコインには5か月間の有効期限がある。

紀伊國屋書店 #

紀伊國屋書店は品揃えがいい。Kindleと双璧だ。例えば有斐閣にはKindleとKinoppyでしか提供していない電子書籍が結構ある3。Kinoppyはアプリの名前だ。

従来のウェブサイトは使いづらかったが、紀伊國屋書店 ウェブKinoppyはモダンで使いやすい。

デスクトップ版アプリは使いやすい。本棚は見やすく、整理も直感的にできる。あえて欠点を挙げるとすれば、検索結果をリストに表示できないことだ。「次へ」と「前へ」しかない。

月に3~4回、週末に全品ポイントキャンペーンがある4。ポイントが25倍から30倍になる。ただし、ポイントシステムはいまいちだ。総額ではなく、各商品ごとに計算されるなどポイントが低く抑えられる。さらにポイントで払った分にはポイントがつかない5。したがって、ポイントの価値は低い。

Book☆Walkerでは還元されたコインで支払った分にも、ちゃんとコインが還元される。この点で紀伊國屋書店は劣る。hontoの20%クーポンと比べても、さほどお得ではないだろう。

ポイントの有効期限は良心的だ。ポイントが加算された年の翌年12月末日まで6となっている。最短でも1年、最長で2年ほどある。

ブックライブ #

ブックライブはあまり使っていない。お得なセールやキャンペーンは少ない印象がある7。ウェブサイトのデザイン、使い勝手があまりよくない。品揃えはhontoと同等だろう。

クーポンガチャがある。1日1回ガチャを回してクーポンを得られる。10~20%オフがほとんどだ。hontoでは20%クーポンはありふれていることを考えると、ありがたみがない。

50%オフクーポンも存在するが、確率はかなり低い。一度だけ出たことがある。当たりの確率が渋いので、ガチャの魅力に乏しい。回すのが面倒になる。

デスクトップ版アプリは、必要な機能はそろっている。ただ、デザインがいまいちだ。

参考文献 #